【要約】
●ヒトプラセンタエキスの抗酸化活性を示す物質としてウラシル、チロシン、フェニルアラニンを同定。
●ウラシルが1番高い抗酸化活性を有し、フェニルアラニンとチロシンは同程度の抗酸化活性を有することが判明。
●ヒトプラセンタエキスの抗酸化活性を示す物質としてウラシル、チロシン、フェニルアラニンの3つの物質が同定。
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ヒト胎盤抽出物中の抗酸化物質の精製と同定
☆活性酸素と抗酸化物質について
酸化ストレスは細胞や組織で発生した活性酸素(ROS)の量が細胞の抗酸化力を上回ると生じます。活性酸素は細胞内のタンパク質、脂質、DNAと相互作用して細胞の機能を変化させ、酸化的な損傷の蓄積は急性および慢性的な細胞障害を引き起こす原因となります。
活性酸素は動脈硬化、糖尿病、神経障害などの変性疾患の発症や悪化に関与するとされているため、活性酸素を介した酸化ストレスには抗酸化物質の補給が重要となります。
ヒトプラセンタエキスは抗酸化活性を有することが報告されており、活性酸素が引き金となる様々な疾患の予防や治療に貢献できる可能性があります。
ヒトプラセンタエキスは様々な酵素、ビタミン、アミノ酸、核酸が含まれていることが知られています。その中でもヒトプラセンタエキスの抗酸化活性に寄与する主な物質について精製と同定を行った検討があるので次に示します。
☆ヒトプラセンタエキスに含まれる抗酸化物質の精製と同定
ヒトプラセンタエキスに含まれる抗酸化物質の精製は40%メタノール沈殿、セファデックスG-50ゲルクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィーという方法によって行われ、その結果から3つの抗酸化活性を示す物質をみつけました。(peak h, p, v)
(PDF図版参照)
そしてそれらの抗酸化物質はそれぞれ(peak h, p, vの順で)ウラシル、チロシン、フェニルアラニンという物質であることを同定しました。
・ウラシル:細胞内でRNAを構成する成分の1つです。
・チロシン:アミノ酸の1つでフェニルアラニンから生成されます。
・フェニルアラニン:必須アミノ酸であり生体内で生成できないアミノ酸の1つです。
さらにこれらの抗酸化活性の活性率は、ウラシルが1番高いことがわかりました。そしてフェニルアラニンとチロシンは同程度の抗酸化活性を有することもわかりました。
チロシンはフェニルアラニンから生成されるアミノ酸です。フェニルアラニンが生体内でヒドロキシラジカル(活性酸素の1つ:・OH)にさらされると最終生成物としてチロシンが生成します。
そのためヒトプラセンタエキス中に存在するチロシンはフェニルアラニンの酸化の副産物である可能性があります。
(PDF図版参照)
★総括★
ヒトプラセンタエキスの抗酸化活性を示す物質としてウラシル、チロシン、フェニルアラニンの3つの物質が同定され、抗酸化活性の活性率はウラシルが一番高く、チロシン、フェニルアラニンは同程度の活性率であることがわかりました。
参考文献:Shin-ichi Togashi, Noriko Takahashi, Yoshinori Kubo, Atsushi Shigihara, Kimio Higashiyama, Satoshi Watanabe, Tetsuya Fukui : Purification and identification of antioxidant substances in human-placenta extracts. Journal of health science, 46(2) :117-125, 2000
製作日:2024.02.13
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「ヒト胎盤抽出物中の抗酸化物質の精製と同定」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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