【要約】
●ビタミンC欠乏により体重増加率の有意な抑制と、特に雌において不安様行動とストレス誘発性食欲不振を引き起こすことが判明。
●ビタミンCの欠乏は、精神状態や食欲に大きなダメージを与え、特に女性において助長されやすいと考えられる。
●VC(-)では食欲が前の週の約50%に低下し、雄よりも雌の方がより顕著に食欲不振を示した。
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ビタミンCと不安様行動・ストレス誘発性食欲不振について
☆ビタミンCと精神的症状の関係
体内のビタミンC(以下VC)が不足すると生体内酸化ストレスが増加し老化を進行させることが報告されています。この研究論文ではVCの欠乏が精神的症状や食欲に影響を与えるか検討しています。
☆実験方法と評価方法について
実験はVCを合成できないマウスで行っています。雌雄各16匹を常に同じ仲間と過ごす「社会的安定群」と、頻繁に仲間を入れ替える「社会的不安定群」に分類します。
6週齢から4週間VCを含む飲料を摂取させて5週目に行動テストを行います。その後、2週間回復期間を設けます。
12週齢になったマウスに今度はVCを除去した飲料で4週間過ごしてもらい、5週目に再び行動テストを行います。
行動テストはストレス負荷がかかるため、テスト1週間前と比べてテスト終了後にどの程度食欲不振が引き起こされたかもそれぞれ評価しています。
(PDF図版参照)
☆実験結果とビタミンC欠乏による評価
①ビタミンC欠乏による体重増加率の抑制
VC(+)期間の体重増加率は開始1週間前に比べて120%でしたが、VC(-)期間では110%でした。VC(-)による体重増加率の有意な抑制は雌雄共通で観察されました。しかし摂取量の減少は雄にのみ特異的にみられました。
②新規環境摂食抑制テストによる不安様行動の評価
このテストでは新規環境に置かれた試料(食物)に接近するまでの時間で不安様行動を評価しています。
結果は、VC(-)の全雌マウスが観測最長時間となる300秒を超えたことから、雌において顕著に悪化することがわかりました(図1)。
③強制水泳テストによるストレス耐性評価
このテストではマウスを逃避不可の環境下で水泳させ、逃避行動をやめて無動になる時間を評価します。
ストレスに弱くうつ状態になるほど無動の時間が長くなります。このテストではVCの有無は関係なく、雄の方が雌よりも、そして社会的安定群の方が不安定群よりも予期せぬ強制水泳テストのストレスに弱いことがわかりました。
④ストレス誘発性食欲不振の評価
行動テスト後はストレス負荷がかかっているため、テスト後の食欲の状態をテスト1週間前と比較して評価しています。
結果はVC(+)では食欲に影響は見られませんでしたがVC(-)では食欲が前の週の約50%に低下しました。これは社会的安定か不安定かは関係なく、雄よりも雌の方がより顕著に食欲不振を示しました(図2)。
これらの結果をまとめると、VC欠乏により体重増加率の有意な抑制と、特に雌において不安様行動とストレス誘発性食欲不振を引き起こすことがわかりました。また雄はVC欠乏による摂取量の減少がみられました。
★総括★
VCの欠乏は、精神状態や食欲に大きなダメージを与え、特に女性において助長されやすいと考えられます。
参考資料:小泉美和子ら, 不安様行動およびストレス誘発性食欲不振に与えるビタミンCの影響, Vitamins(Japan), 91(11), 649-951(2017)
製作日:2024.08.05
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「ビタミンCと不安様行動・ストレス誘発性食欲不振について」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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