【要約】
●ビタミンCは紫外線による皮膚障害に対して保護的に作用することが確認。
●ビタミンC美容液の使用タイミングは照射前でも後でも効果はあるが、特に紫外線照射前の塗布が、より効果的であることが示唆されている。
●ビタミンC自体に光毒性はない。
※エビデンスを最優先に考えるUTPでは、医学論文や研究資料、学術情報などをもとに、美容と健康に関する信頼性の高い情報をご紹介しています。掲載内容は研究・文献に基づく情報であり、商品開発や情報提供の参考資料として活用しています。
紫外線による皮膚障害に対するビタミンCの前塗布・後塗布の保護効果
☆紫外線とビタミンC
紫外線、特にUVBは表皮に吸収されて活性酸素種(ROS)を発生させることでDNA損傷、炎症、細胞死を引き起こし、しわや色素沈着などの皮膚老化の原因となることが知られています。
ビタミンC(VC)は強い還元作用を有し、活性酸素を除去する抗酸化物質ですが、紫外線による皮膚障害に対する保護機構については十分に明らかになっていませんでした。
今回の論文は皮膚に紫外線を照射する際にビタミンCを前塗布、後塗布した場合の皮膚保護効果を調べています。
☆ビタミンCの表皮への取り込み
この論文では、まず塗布したビタミンCが表皮に取り込まれるかを確認する実験が行われていました。
*実験方法*
10、100、500、1000 mMのビタミンCをヒト培養表皮に塗布し、3時間および6時間後の表皮内ビタミンC濃度をHPLCというもので測定しています。
※この濃度を実際のビタミンC美容液(純粋なビタミンCとして)の濃度で換算してみると、
10 mM ≒ 0.18%、100 mM ≒ 1.76%、500 mM ≒ 8.8%、1000 mM ≒ 17.6%になります。
*実験結果*
表皮内のビタミンC濃度は、塗布濃度に応じて増加していました。 1000 mM塗布3時間後では、10 mM塗布時の約90倍の濃度が検出されたそうです。
そして500 mMおよび1000 mMの高濃度塗布でも細胞生存率への悪影響(細胞毒性)は認められなかった。
☆紫外線(UVB)による皮膚障害に対するビタミンCの保護効果
次に、それぞれの濃度のVCをUVB照射に皮膚に塗布した際の紫外線保護効果を見ています。
*実験方法*
UVB(120 mJ/cm²)照射の3時間前と3時間後にビタミンCを塗布し以下の項目を評価しています。
【評価項目】
細胞生存率、DNA二重鎖切断(γ-H2A.X)、アポトーシス細胞(TUNEL染色)、ROS産生、
脂質過酸化(4-HNE)、炎症性サイトカインTNF-α発現
*実験結果*
・細胞の生存率
UVB照射のみでは細胞生存率が約40%低下した。 しかし、照射前または照射後にビタミンCを塗布すると、生存率低下が抑制された。特に、照射前塗布の方がより高い保護効果を示した。
・DNA損傷・アポトーシス
UVB照射によりγ-H2A.X核局在(DNAが損傷した細胞)およびTUNEL陽性細胞(細胞死)が増加した。 しかし照射前にビタミンCを塗布すると、これらの増加は有意に抑制された。
照射後塗布でもTUNEL陽性細胞は減少したが、DNA損傷指標の抑制は前塗布の方が明確であった。
・ROS産生・脂質過酸化
UVB照射によりROS産生および脂質過酸化物(4-HNE)が増加した。 ビタミンC塗布によりこれらは抑制された。
特に照射前塗布では4-HNEの検出はほとんど認められなかった。
・炎症性サイトカイン
UVB照射によりTNF-α mRNA発現は約9倍に増加した。 しかし照射前または照射後にビタミンCを塗布すると、その発現は抑制された。照射前塗布では、照射なしと同程度まで抑制された。
(PDF図版参照)
ビタミンCの外用は、細胞生存率低下の抑制、DNA損傷の抑制、ROS産生の抑制、炎症反応の抑制に寄与し、紫外線による皮膚障害に対して保護的に作用することが確認されました。
ビタミンC美容液の使用タイミングは照射前でも後でも効果はありましたが、特に紫外線照射前の塗布が、より効果的であることが示唆されています。
☆ビタミンCは朝使用しない方が良いという誤解について
「ビタミンCは朝使用しない方が良い」という話を耳にすることがありますが、これは柑橘類などに含まれるソラレン(フロクマリン類)という光毒性物質の影響と混同されている可能性があります。
ソラレンは紫外線と反応して皮膚に炎症や色素沈着を引き起こすことがありますが、ビタミンC自体にそのような光毒性はありません。むしろ本研究のように、ビタミンCは紫外線による活性酸素の発生を抑え、皮膚障害を軽減する可能性が示されていますので覚えておきましょう。
参考資料:Kawashima S., Funakoshi T., Sato Y., et al. Protective effect of pre- and post-vitamin C treatments on UVB-irradiation-induced skin damage. Scientific Reports. 2018;8:16199
製作日:2026.03.16
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「紫外線による皮膚障害に対するビタミンCの前塗布・後塗布の保護効果」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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紫外線による皮膚障害に対するビタミンCの前塗布・後塗布の保護効果
☆紫外線とビタミンC
紫外線、特にUVBは表皮に吸収され、活性酸素種(ROS)を発生させます。その結果、DNA損傷や炎症、細胞死が引き起こされ、しわや色素沈着などの皮膚老化につながることが知られています。
ビタミンC(VC)は強い還元作用を持ち、活性酸素を除去する抗酸化物質です。しかし、紫外線による皮膚障害に対する保護の仕組みについては、これまで十分に明らかになっていませんでした。
今回の論文では、紫外線を照射する前と後にビタミンCを塗布した場合の皮膚保護効果を調べています。
☆ビタミンCの表皮への取り込み
この論文では、まず塗布したビタミンCが表皮へ取り込まれるかを確認する実験が行われました。
*実験方法*
10、100、500、1000mMのビタミンCをヒト培養表皮に塗布し、3時間後と6時間後の表皮内ビタミンC濃度をHPLCで測定しました。
※この濃度を実際のビタミンC美容液(純粋なビタミンC)の濃度に換算すると、
- 10mM ≒ 0.18%
- 100mM ≒ 1.76%
- 500mM ≒ 8.8%
- 1000mM ≒ 17.6%
となります。
*実験結果*
表皮内のビタミンC濃度は、塗布した濃度に応じて増加しました。
1000mMを塗布して3時間後には、10mMを塗布した場合の約90倍の濃度が検出されました。
また、500mMと1000mMの高濃度を塗布しても、細胞生存率への悪影響(細胞毒性)は認められませんでした。
☆紫外線(UVB)による皮膚障害に対するビタミンCの保護効果
次に、それぞれの濃度のビタミンCを、UVB照射の前後に塗布した場合の紫外線保護効果を調べました。
*実験方法*
UVB(120mJ/cm²)照射の3時間前と3時間後にビタミンCを塗布し、次の項目を評価しました。
【評価項目】
- 細胞生存率
- DNA二重鎖切断(γ-H2A.X)
- アポトーシス細胞(TUNEL染色)
- ROS産生
- 脂質過酸化(4-HNE)
- 炎症性サイトカインTNF-α発現
*実験結果*
・細胞の生存率
UVB照射のみでは、細胞生存率が約40%低下しました。
しかし、照射前または照射後にビタミンCを塗布すると、生存率の低下は抑えられました。
特に、照射前に塗布した方が、より高い保護効果を示しました。
・DNA損傷・アポトーシス
UVB照射により、γ-H2A.X核局在(DNAが損傷した細胞)とTUNEL陽性細胞(細胞死)が増加しました。
しかし、照射前にビタミンCを塗布すると、これらの増加は有意に抑制されました。
照射後に塗布した場合もTUNEL陽性細胞は減少しましたが、DNA損傷指標の抑制は照射前塗布の方が明確でした。
・ROS産生・脂質過酸化
UVB照射により、ROS産生と脂質過酸化物(4-HNE)は増加しました。
ビタミンCを塗布すると、これらは抑制されました。
特に照射前に塗布した場合は、4-HNEはほとんど検出されませんでした。
・炎症性サイトカイン
UVB照射により、TNF-α mRNA発現は約9倍に増加しました。
しかし、照射前または照射後にビタミンCを塗布すると、その発現は抑制されました。
照射前に塗布した場合は、照射していない場合とほぼ同じレベルまで抑制されました。
ビタミンCの外用は、細胞生存率の低下、DNA損傷、ROS産生、炎症反応を抑え、紫外線による皮膚障害に対して保護的に作用することが確認されました。
ビタミンC美容液は、紫外線照射の前後どちらに使用しても効果が認められましたが、特に紫外線を浴びる前に塗布した方が、より高い効果を示すことが示唆されています。
☆ビタミンCは朝使用しない方が良いという誤解について
「ビタミンCは朝使用しない方が良い」と言われることがありますが、これは柑橘類などに含まれるソラレン(フロクマリン類)という光毒性物質と混同されている可能性があります。
ソラレンは紫外線と反応し、皮膚に炎症や色素沈着を引き起こすことがありますが、ビタミンC自体にはそのような光毒性はありません。
むしろ、本研究では、ビタミンCは紫外線による活性酸素の発生を抑え、皮膚障害を軽減する可能性が示されています。



