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エビデンス・研究資料「海洋深層水の正常ヒト表皮細胞に及ぼす影響」20240129

【要約】
●海洋深層水はミネラルが豊富で、水温が低く、科学的にも細菌学的にも清浄。

●海洋深層水には、細胞増殖能と細胞角化能を増強する作用があり、細胞増殖能の促進と同じ濃度域で細胞角化能を促進することが判明。

●上記の作用メカニズムの1つに含有されているケイ酸とカルシウムが関連している可能性があることが判明。


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海洋深層水の正常ヒト表皮細胞に及ぼす影響

☆海洋深層水とは
海洋深層水は水深が約200m以深の海水を示します。
海を浅海と深海の2つに分けたときに境界となるのが約200mで深層水の区分はそれと対応しています。

世界の海の平均深度は約4000mなので単純に考えると海水の約95%が深層水ということになります。

海洋深層水は一般的にナトリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれていること、水温が2度以下と低温であること、科学的にも細菌学的にも清浄であること、そしてこれらに季節的な変動が少ないことが知られています。

そして深層水は現在、飲食物、化粧品、入浴剤、医療治療の補助剤などで多く利用されています。

☆海洋深層水の形成と清浄性について
深層水は中・高緯度(赤道から離れて南北極に近い地域)で冬に気温が下がった時に表層水(水深200m以内の海水)が冷やされて重くなり、生物活動の盛んな真光層と呼ばれる層よりも深く沈んで形成されます。

深海では光合成による有機物の産生はほぼなく、存在している生物は表層から沈殿してくるわずかな有機物を利用してかろうじて生きています。

そのため、深層水の存在する空間は表層水に比べて20倍の広さがあるにもかかわらず、深層水中で生活する生物はほとんど存在していません。

そして、表層水から沈んで形成された深層水は深層を中・高緯度から低緯度(赤道付近)に流れながら次第に暖められて再び表層へと浮上しますが、それには早くて1年、遅いと数1000年かかります。

その過程で深層水中の利用しやすい有機物は使い尽くされてほとんどなくなるため、海洋深層水にはミネラルが豊富で、かつ極めて高い清浄性が生み出されます。

☆海洋深層水が皮膚に及ぼす影響
正常ヒト表皮細胞を用いて、富山海洋深層水を添加し3日目の細胞増殖能を調べた検討があります。
海洋深層水を20%以上添加すると有意な細胞増殖促進作用が認められ、40%の添加で無添加の1.7倍促進される結果となりました。
(PDF:図1)

そして海洋深層水添加後24時間目に、表皮細胞の角化に関わるインボルクリンという成分の産生量を測定したところ、有意ではないが、海洋深層水の添加によって用量依存的にインボルクリン産生量が促進されていました。
(PDF:図2)

次に、正常ヒト表皮細胞に富山海洋深層水を添加し、5日目の角化不溶性膜(角質細胞を包む膜)の形成能を測定しました。海洋深層水の添加により用量依存的に促進効果がみられ、30%以上で有意な促進がみられました。
そして50%添加では無添加の4倍以上の角化不溶性膜の形成が認められました。
(PDF:図3)

これらの結果から、細胞増殖能の促進と同じ濃度域で細胞角化能を促進することがわかりました。

ここでさらに海洋深層水の増殖促進、角化促進の作用メカニズムの1つとしてケイ酸とカルシウムに着目し角化不溶性膜形成の検討を行っています。
細胞にカルシウム濃度0.03mMを添加した際にケイ酸も添加すると用量依存的に角化促進され、カルシウム濃度が1.25mMに増えるとさらに有意な促進がみられました。
(PDF:図4)

実験でのケイ酸とカルシウムの濃度はそれぞれ海洋深層水の添加で効果の見られた含有量と同程度であることから、促進効果の作用メカニズムの1つはケイ酸とカルシウムの効果であると考えられました。

★総括★
海洋深層水には細胞増殖能と細胞角化能を増強する作用があり、その作用メカニズムの1つに含有されているケイ酸とカルシウムが関連している可能性があることがわかりました。

参考文献:Y. Ota, R. Uematsu and S. Inoue, Effects of Toyama deep seawater on cultured human skin keratinocytes, Deep Ocean Wat. Res., 3, pp.15-19 (2002) (Japanese)

製作日:2024.01.29
監修:株式会社UTP 研究室


エビデンス・研究資料
「海洋深層水の正常ヒト表皮細胞に及ぼす影響」PDF

詳しくは、PDFをご参照ください。


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