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エビデンス・研究資料「ブタプラセンタエキスの前立腺癌細胞増殖抑制について」

【要約】
●ブタプラセンタエキスが、テストステロンによる前立腺肥大の抑制効果がある可能性がある
●ブタプラセンタエキスは、DHTの作用を阻害して細胞増殖を抑制することが判明
●DHTによって生じる、男性型脱毛症の治療への応用も期待


※エビデンスを最優先に考えるUTPでは、医学論文や研究資料、学術情報などをもとに、美容と健康に関する信頼性の高い情報をご紹介しています。掲載内容は研究・文献に基づく情報であり、商品開発や情報提供の参考資料として活用しています。


ブタプラセンタエキスの前立腺癌細胞増殖抑制について

☆前立腺肥大症とは
前立腺肥大症とは、前立腺が大きくなることで尿の出方や勢いが悪くなるなど排尿障害が起こる、高齢の男性特有の病気です。
40歳代で20%、50歳代で40%、60歳代で70%、70歳代で80%に認められており、その約1/4に臨床症状が出現すると言われています。
加齢が危険因子とされており、その他に遺伝的要因、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常症などが危険因子とされています。(PDF図版参照)

☆前立腺とテストステロンの関係
前立腺は精巣から分泌される男性ホルモン(アンドロゲン)の1つであるテストステロンの働きにより増殖が起こります。

思春期頃までにある程度の大きさまで成長して一定の大きさになります。しかし40歳頃から前立腺の内線と呼ばれる内側の部分が増殖し始め組織の肥大が起こると前立腺肥大となります。様々な研究がされていますが、肥大の原因はわかっていません。

☆ブタプラセンタエキスと前立腺肥大症の治療の可能性
睾丸を摘出し去勢後、テストステロンを1日1回、7日間皮下注射して前立腺を肥大させたラットに対するブタプラセンタの実験報告があります。

去勢処置をすると前立腺は萎縮しますが、テストステロン投与により未処置のラットと同程度まで前立腺が肥大化するデータが得られました。

このテストステロン投与時にブタプラセンタエキスも腹腔内へ投与する処置をすると、未投与の場合に比べて前立腺肥大が抑えられることがわかりました。この実験よりブタプラセンタエキスがテストステロンによる前立腺肥大の抑制効果がある可能性があります。

☆前立腺癌について
上記は前立腺肥大についての話でしたが、前立腺癌は前立腺肥大症とは全く異なる病態です。前立腺肥大は前立腺の内線の増殖によるものですが前立腺癌は外線に発病します。症状は前立腺肥大とほとんど同じです。

前立腺はアンドロゲンの影響を受けて増殖しますが、前立腺癌細胞も同様にアンドロゲンの影響を受けます。そのため一般的な治療ではこのアンドロゲンの作用を抑えるといったことがなされています。
(PDF図版参照)

☆抗アンドロゲンの作用機序
独協医科大学の研究報告では、4つの抗アンドロゲン作用機序を示しています。

①血中テストステロンの細胞内取り込みを阻害する。
②視床下部-下垂体からのLHを抑制しアンドロゲン生成を抑制する。
③DHT(ジヒドロテストステロン:アンドロゲンの1つ)がアンドロゲンレセプターに結合するのを阻害する。
④テストステロンを活性型のDHTに変換する5α-リダクターゼ活性を抑制する。

☆ブタプラセンタエキスの前立腺癌細胞増殖抑制効果について
ヒト前立腺癌細胞株にDHTを添加して細胞増殖をさせる際に、ブタプラセンタエキスを添加した実験があります。細胞増殖はブタプラセンタエキスの添加量に依存して抑制されました。

また、細胞にDHTを添加せずにブタプラセンタエキスを添加した場合は、細胞増殖に変化は見られませんでした。

さらにDHTとプラセンタエキスを投与した細胞において、細胞中のアンドロゲンレセプターの発現量を測定したところ、プラセンタエキス添加量に依存して発現量は低下していました。

つまり、ブタプラセンタエキスはDHTのアンドロゲンレセプターの発現を抑制することによりDHTの作用を阻害して細胞増殖を抑制することがわかりました。

☆DHTの阻害作用から考えられる薄毛治療への応用
男性型脱毛症による薄毛の機序にはDHTが関与しています。
一般的に男性ホルモンは骨や筋肉の発達を促し、髭や胸毛などの毛を濃くする方向へ働きますが、前頭部や頭頂部などの男性ホルモン感受性毛包に関しては軟毛へと働きます。

DHTは前頭葉や頭頂部の男性ホルモン感受性毛包において、アンドロゲンレセプターに結合し毛母細胞の増殖を抑制することが報告されていますので、プラセンタエキスのアンドロゲンレセプター発現抑制作用は薄毛に対しても効果を発揮すると考えられ、薄毛治療への応用も期待されています。

★総括★
ブタプラセンタエキスの中には、テストステロンによる前立腺肥大の抑制やアンドロゲンレセプター発現抑制により前立腺癌細胞の増殖抑制をする物質が存在することがわかりました。
また、DHTによって生じる男性型脱毛症の治療への応用も期待されています。


参考文献:手計雅彦, 明壁史弥, 田頭栄治郎, 熊谷道彦, プラセンタエキスの前立腺癌細胞増殖抑制と前立腺肥大抑制効果:日本補完代替医療学会誌, 第5巻, 3号(10月), 2008:219-224
(その他:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版 参照

製作日:2024.01.22
監修:株式会社UTP 研究室


エビデンス・研究資料
「ブタプラセンタエキスの前立腺癌細胞増殖抑制について」PDF

詳しくは、PDFをご参照ください。


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