【要約】
●ラエンネックには、肝細胞の増殖を促進する直接作用があることが判明。
●ラエンネックには、部分切除された肝臓において、肝細胞の増殖を間接的に増強させる作用がある。
●ラエンネックは、障害を受けた肝臓の保護もしくは修復をする働きを有する。
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ラエンネックの肝臓に及ぼす作用について
☆ラエンネックの肝再生促進作用についてメカニズム解明の検討
ラエンネックは肝疾患治療薬として臨床で用いられています。
実際にどのようなメカニズムで肝再生促進の効果がみられるのか、研究されていた内容をまとめます。
① 肝細胞への直接作用
正常なラットの培養肝細胞に、肝細胞増殖因子(HGF)を投与すると肝細胞が増殖します。
この培養肝細胞に、ラエンネック(2μl/ml)を投与した場合もHGFを投与した時と同じように細胞増殖効果があり、その効果(DNA合成促進作用)は無添加の約2.5倍でした。
この結果より、ラエンネックには肝細胞の増殖を促進する直接作用があることがわかりました。
(PDF図版参照)
② 血漿中に含まれる肝増殖促進因子への作用
肝臓の70%を切除したラットにラエンネックを筋肉注射した際に、肝細胞増殖への影響を検討した実験があります。
肝切除後に残った肝臓は、血漿(血液に含まれる液体成分)中の増殖因子により活発に肝再生を行っています。
この血漿中の増殖因子による活性が、ラエンネックを投与することによりさらに増強することがわかりました。ラエンネックには部分切除された肝臓において、血漿中に含まれる増殖因子へ何らかの作用をして、肝細胞の増殖を間接的に増強させる作用があります。
(PDF図版参照)
③ 肝障害時における肝保護作用と肝細胞増殖促進作用
薬物で肝障害を誘発したラットに、ラエンネックを投与(静脈内と筋注)した時の肝臓への影響を調べた実験があります。
肝障害では、ラットの血液中に肝逸脱酵素と呼ばれるGPT、ALP、LAPやγ-GTP、そしてビリルビンなどが増加します。ラエンネックを投与すると、これらの酵素やビリルビンの値が顕著に低下しました。
特にGPT、ALP、LAPについては肝障害を起こしていないラットと同じレベルにまで回復しました。
そして肝細胞の増殖はラエンネックを投与してない場合と比べ静脈内で5.8倍、筋注で5.9倍となり著しい肝細胞増殖促進作用も確認できました。このことから、ラエンネックは障害を受けた肝臓の保護もしくは修復をする働きを有しています。
(PDF図版参照)
★総括★
ラエンネックには、
①肝細胞の増殖を促進する直接作用があること
②肝部分切除後の肝増殖促進因子の活性上昇を促す間接作用があること
③肝部分切除および肝障害時に肝細胞増殖促進作用があり、障害を受けた肝臓の保護もしくは修復をする作用があることがわかりました。
参考文献:Liu Kexin, Okazawa Issei, Kaku Tai-ichi : 肝再生に及ぼすLaennecの影響. 薬理と臨床, 5(12), 1992
製作日:2024.01.04
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「ラエンネックの肝臓に及ぼす作用について」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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