【要約】
●皮膚において、オートファジーは表皮の分化、免疫、皮膚色の調節などの役割を担う。
皮膚のオートファジー活性は、加齢に伴って低下する。
●オートファジーを活性化させることで、乱れていた角化を整え、正常な皮膚を形成することができると考えられる。
●オートファジーを活性化させることで肌老化を抑制できる可能性がある。
そして正常な角化にもオートファジーが関与していることがわかった。
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皮膚におけるオートファジーについて
☆皮膚のオートファジーと加齢
皮膚において、オートファジーは表皮の分化、免疫、皮膚色の調節などの役割を果たしていることが研究で
明らかとなっています。老化による皮膚状態の変化とオートファジーの関連を調べたデータを以下に示します。(PDF参照)
40~50代の健常女性6名を対象に、非露光部である上腕内側部より採取した皮膚から、オートファジーの活性を測る
指標となるタンパク質(LC3タンパク質またはp62タンパク質)の代謝量を検出し、皮膚組織におけるオートファジーの活性を定量しています。
結果、皮膚のオートファジー活性は、加齢に伴って低下する傾向が見られました。(図1(PDF参照))
☆光老化が顕在化した部位(シミ)でのオートファジー活性について
紫外線はシミ・シワ・たるみなどの光老化を引き起こすことが知られていますが、シミのある部位と健常な皮膚部位におけるオートファジー活性を比較した検討があるので以下に示します。(PDF参照)
紫外線に暴露されやすい前腕外側に生じたシミ(色素沈着)部位と上腕内側の健常部位それぞれでオートファジー活性を比較しました。(グラフは6名のデータです(PDF参照))
露光部のシミ部位は、非露光部の健常部位と比較してオートファジー活性の有意な低下が見られました。(図2(PDF参照))
☆角化が乱れた皮膚でのオートファジーの活性について
表皮の角化とオートファジーの関連を調べたデータを以下に示します。(PDF参照)
肘部に乾燥やざらつきなどの肌トラブルがある30~50歳代健常人を対象とし、肘部とその周辺の腕部の皮膚を比較しました。
・肘部において角質肥厚が見られました。
・正常な角化に重要とされるタンパク質(ロリクリン、フィラグリン)とオートファジー活性の指標となるLC3タンパク質を蛍光色素で可視化したところこれらの分布が乱れていました。
・LC3タンパク質の量が肘部で少なくオートファジー活性の低下が見られました。
この検討には続きがあり、肘部皮膚にオートファジーを活性化させる試薬を添加して表皮の角化状態、角化に関与するタンパク質を可視化しています。
図(PDF参照)より、オートファジーを活性化させたことで、角質肥厚が抑えられました。そして角化に関与するタンパク質の分布も整っていることがわかります。
つまり、オートファジーは正常な角化に関与している可能性があり、オートファジーを活性化させることで
乱れていた角化を整え、正常な皮膚を形成することができると考えられます。
★総括★
今回の実験内容から、皮膚におけるオートファジーは加齢や光老化の進行で低下していることがわかり、
オートファジーを活性化させることで肌老化を抑制できる可能性があること、そして正常な角化にも
オートファジーが関与していることがわかりました。オートスイッチの内服でも、同じような効果が得られる
可能性があります。
参考資料:花王株式会社ニュースリリースより(2019.11.18)(2023.4.27)
製作日:2025.03.31
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「皮膚におけるオートファジーについて」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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