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エビデンス・研究資料「オートファジーが肌の色の決定に重要な役割を果たす」20250407

【要約】
●オートファジーを抑制するとケラチノサイトにメラニンが蓄積し、メラノソームはオートファジーでリソソームによって分解されていることが判明。

●ケラチノサイトでのオートファジー活性も肌の色を決める要素であることが判明。

●オートファジーは民族の肌を決定する因子の1つである。


※エビデンスを最優先に考えるUTPでは、医学論文や研究資料、学術情報などをもとに、美容と健康に関する信頼性の高い情報をご紹介しています。掲載内容は研究・文献に基づく情報であり、商品開発や情報提供の参考資料として活用しています。


オートファジーが肌の色の決定に重要な役割を果た

☆メラニンとケラチノサイト(角化細胞)
メラニンの生合成をしているメラノサイトは、メラニンを生成しメラノソームという状態でケラチノサイトに注入します。※メラノソームはgp100というタンパク質の骨格にメラニンが貯蔵されたものです。
これが蓄積することでシミになると言われています。
(PDFの図版参照)

☆オートファジーとメラニンの関係
今回の論文ではオートファジーが民族の肌の色を決定していることを報告しています。
実験内容は難しいため詳細を省きますが、この実験でわかったことを下記に示します。

① ケラチノサイトのAtg7を抑制するとメラニンが蓄積する
Atg7はオートファジーに関連するタンパク質です。このタンパク質を遺伝子操作で抑制するとケラチノサイトにメラノソームが蓄積する結果が得られています。
→オートファジーを抑制するとケラチノサイトにメラニンが蓄積する
ということです。
(PDFの図版参照)

② メラノソームはケラチノサイトのリソソームで分解される
リソソームはオートファジーのシステムでオートファゴソームと融合する酵素を含んだ細胞内小器官です。
(PDFの図版参照)

ケラチノサイトでリソソームを阻害するとメラノソームの蓄積を観察できたことから、メラノソームはオートファジーでリソソームによって分解されていることがわかりました。

そしてこのメラノソームのリソソーム分解は、黒人よりも白人の方が分解されていることもわかっています。
→白人の方が、オートファジー活性が高いということです。

③ 白人皮膚由来のケラチノサイトはアフリカ系アメリカ人(黒人)皮膚由来のものよりも高い
オートファジー活性を示した。
→白人の方がケラチノサイトでメラニンの分解がされているということ
民族間で肌の色が大きく異なるにも関わらず、メラニン生成のメカニズムは全てのヒトで同じと言われています。

民族間で見られるメラニン生成過程(肌の色を決める要素)の違いは
① チロシナーゼの活性(メラニンの生成速度) →黒人>白人
② メラノソームのケラチノサイトへの移行速度 →黒人>白人

と言われていきました。(なので黒人の方が、メラニンが蓄積されやすいと言われています。)
今回、ケラチノサイトでのオートファジー活性も肌の色を決める要素であることがわかりました。

④ メラノサイトではAtg7を活性化させるとメラノサイト内のメラニン含量が抑制される
メラニン生成の場であるメラノサイトでオートファジー関連タンパク質であるAtg7を活性化させると
メラノサイト内のメラニン量が減ったそうです。
→オートファジー機構がメラノソームの成熟に関わっているということです。

そしてここで言いたいのは、オートファジーの活性による影響というのは、細胞の種類(ケラチノサイトやメラノサイト)によって様々であるということです。(ケラチノサイトではメラノソームの分解に、メラノサイトでは
メラノソームの成熟にオートファジーが関わっている。)
(PDFの図版参照)

⑤ オートファジー活性剤で皮膚のメラニン量は減少し、阻害剤で増加する
オートファジー活性剤であるベラパミルとラパマイシン(どちらも医薬品です)ヒト皮膚に添加した場合と阻害剤であるヒドロキシクロロキン(HCQ)を添加した実験では、オートファジーを活性化させると皮膚が明るくなり、抑制すると皮膚が暗くなることがわかりました。そして皮膚断面を見てもメラニン量に違いが出ました。
(PDFの図版参照)

→表皮ケラチノサイトのオートファジーによるメラノソームの分解が、皮膚の色の変化に大きく影響している

★総括★
オートファジーは民族の肌を決定する因子の1つであることが研究で明らかとなっています。
今後はケラチノサイトに存在するメラノソームに着目した、オートファジー機構に影響を与えて皮膚を明るく
するといった手法が出てくる可能性があります。

参考資料:Daiki Murase, Autophagy Has a Significant Role in Determining Skin Color by Regulating Melanosome Degradation in Keratinocytes, Journal of Investigative Dermatology (2013), Volume 133 : 2416-2424

製作日:2025.04.07
監修:株式会社UTP 研究室


エビデンス・研究資料
「オートファジーが肌の色の決定に重要な役割を果たす」PDF

詳しくは、PDFをご参照ください。


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