【要約】
●ヒアルロン酸は腸内細菌によってオリゴヒアルロン酸へ分解されて吸収され、「肌の潤いを正常に保ち、乾燥を緩和する」作用が報告されている。
●10名すべての腸内細菌でヒアルロン酸の分解が確認され、分解能には個人差があり、肌への影響にも個人差があると考えられる。
●オリゴヒアルロン酸はコラーゲンの産生と分解を促進し、皮膚代謝を改善することでシワやたるみに効果を示してくれると考えられる。
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経口摂取ヒアルロン酸の腸内細菌による分解と皮膚への作用
☆経口摂取によるヒアルロン酸への効果
ヒアルロン酸の一番の特徴は高い水分保持力であり、高分子のものでは約1000倍の水分を保持できると言われています。
生体内では細胞外マトリックス成分として全身に分布し、特に皮膚、関節、眼の硝子体に多く存在しています。
ヒアルロン酸の生理学的機能としては水分保持による細胞の維持、栄養成分の移行、抗炎症作用が知られています。
ヒアルロン酸は経口摂取することで肌への良い効果があると報告されており、「肌の潤いを正常に保ち、乾燥を緩和する」作用で機能性表示食品として多くの届け出がなされています。
(PDF図版参照:図1は報告の一部です)
☆経口摂取ヒアルロン酸の腸内細菌による分解機構について
ラットの実験においては、ヒアルロン酸はオリゴ糖まで分解され、10糖以下のオリゴヒアルロン酸が腸を透過し血中へ移行することが確認されています。今回ヒトの腸内細菌でも同様にヒアルロン酸の分解がされるのか検討していましたので下記に記します。
*実験方法*
10名の被験者から腸内細菌を採取して実験に使用しています。
平均分子量が300kDaのヒアルロン酸を添加した培地に腸内細菌を播いて30時間培養、ヒアルロン酸の分解
状態を確認しました。その後、ヒアルロン酸を分解する菌の同定も行っております。
*結果*
①10名の被験者すべての腸内細菌においてヒアルロン酸が分解させることが確認された。
②ヒアルロン酸を分解する腸内細菌4種類の同定がされた。
→Bacteroides finegoldii、B. caccae、B. thetaiotaomicron、
Fusobacterium mortiferumの4種類でした。
この腸内細菌の有無や比率は被験者によって大きく異なっていました。
→ヒアルロン酸の分解能には個人による差異があり、肌への影響も個人差があると考えられます。ヒアルロン酸の効果が出やすい人と出にくい人がいる可能性があるということです。
③同定された腸内細菌4種すべてでヒアルロン酸の分解が確認され、2糖、4糖、6糖、8糖などのオリゴ糖(オリゴヒアルロン酸)に分解されることが確認された。
(PDF図版参照:図2)
☆オリゴヒアルロン酸のコラーゲン代謝評価
前述より、経口摂取ヒアルロン酸が腸内細菌によってオリゴヒアルロン酸に分解されることがわかりました。
論文ではさらに3次元皮膚モデルを用いてオリゴヒアルロン酸が皮膚に及ぼす影響についても実験を行っています。実験内容を下記に示します。
*実験方法*
平均分子量2kDaのオリゴヒアルロン酸を含む培地で3次元皮膚モデルを48時間培養し、I型プロコラーゲンCペプチド(コラーゲン産生の指標)とMMP-1(コラーゲン分解の指標)の測定を行いました。
*結果*
I型プロコラーゲンCペプチド、MMP-1ともにオリゴヒアルロン酸未添加と比較して高い数値を示しました。
→オリゴヒアルロン酸によってコラーゲンの産生と分解、つまり代謝が活性化することがわかりました。
高齢化により皮膚の代謝が衰えてくると古いコラーゲンが蓄積して皮膚のハリや弾力性が失われ、シワやたるみの原因につながります。今回の結果から、オリゴヒアルロン酸によりコラーゲンの分解と合成を促進し皮膚代謝を改善する可能性があると考えられます。
★総括★
ヒアルロン酸は腸内細菌によりオリゴヒアルロン酸となって腸内から吸収されることがわかりました。そして
オリゴヒアルロン酸は皮膚のコラーゲン代謝を促進しシワやたるみに効果を示してくれると考えられます。
参考資料:木村守, 経口摂取ヒアルロン酸の腸内細菌による分解と皮膚への作用, FRAGRANCE JOURNAL, 51(6), 23-27(2023)
製作日:2024.12.16
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「経口摂取ヒアルロン酸の腸内細菌による分解と皮膚への作用」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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