【要約】
●ビタミンC不足は、筋重量の低下や筋委縮を引き起こし、ROS(活性酸素)やカルボニル化タンパク質の増加を引き起こす。
●ビタミンC不足は、筋力、全身持久力、自発活動といった身体能力の低下をもたらす。
●ビタミンC不足は、筋重量や身体能力の低下を引き起こすが、必要量を摂取することで改善する。
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ビタミンC不足は筋委縮と身体能力の低下をもたらす
☆骨格筋とビタミンC
体重の30-40%を占める骨格筋には筋肉100gあたり3-4mgの濃度でビタミンCが存在しています。
骨格筋でのビタミンC(以下VC)の役割について研究した内容がありますので詳細を下記に示します。
☆実験方法と評価方法
生後8週齢のVCを合成できないマウスを、VCを与える群と与えない群の2群に分けて4週間ごとに下肢骨格筋の採取、身体能力試験、骨格筋委縮に関連する遺伝子の測定を行いました。
身体能力試験については下記になります。
(PDF図版参照)
その後、VCを与えていない群に12週間VCを含む飲料を与えて再度、下肢骨格筋、身体能力試験、骨格筋委縮に関連する遺伝子の評価を行っています。
☆実験結果とVC欠乏による評価
①VC不足は筋重量の低下や筋委縮を引き起こし、ROS(活性酸素)やカルボニル化タンパク質の増加を引き起こす。
実験開始12週の段階でVCなしの群はありの群より筋重量の低下がみられました。具体的には、VCなしの群がありの群と比較して、腓腹筋で75%、ヒラメ筋で83%、前脛骨筋で74%、足底筋で77%、長趾伸筋で76%に低下していたそうです。
さらにヒラメ筋の断面を見てみると断面面積がVCなしの群においてVCありの群よりも遅筋線維28%、速筋線維25%低値を示し委縮していることがわかりました。
ヒラメ筋のROSは実験開始8週の時点でVCなしの群がありの群の2倍多く、カルボニル化タンパク質は1.5倍多くなっていたそうです。
②VC不足は筋力、全身持久力、自発活動といった身体能力の低下をもたらす。
身体能力試験を実施したところ、VCなしの群はVCありの群よりも実験開始4週で20%、8週で50%、12週で56%能力が低下していました。
③VC不足は骨格筋委縮に関連する遺伝子の増加を引き起こす。
骨格筋委縮に関連する遺伝子には、Atrogin-1、MuRF1、FoxO1、Cblbなどがあります。
VCなしの群では実験開始8週からFoxO1とCblbの遺伝子発現が増え、16週からはさらにAtrogin-1とMuRF1の遺伝子発現も増えていたそうです。
④VC不足の群にVCを投与すると筋重量、ROS、身体能力は回復し骨格筋委縮に関連する遺伝子もVCあり群と同等に戻るが、カルボニル化タンパク質に関しては戻らなかった。
VCなしの群に12週間VCを投与することで骨格筋のVC濃度はVCありの群と同程度まで回復し、筋重量、ROS、身体能力も同程度まで回復しました。さらに骨格筋委縮に関連する遺伝子もVCありの群と同程度まで戻ったそうです。
しかしカルボニル化タンパク質についてはVCなしの群が1.2倍多かったことから一度カルボニル化してしまうと戻りにくいということがわかりました。
(PDF図版参照)
★総括★
VCの不足は筋重量や身体能力の低下を引き起こしてしまいます。しかし必要量を摂取することでこれらの症状は改善することができるので継続的にVCを摂取することが大切です。
参考文献:谷津智史ら, ビタミンC不足は筋委縮と身体能力の低下をもたらす, Vitamins(Japan), 93(9), 401-403(2019)
製作日:2024.09.02
監修:株式会社UTP 研究室
エビデンス・研究資料
「ビタミンC不足は筋委縮と身体能力の低下をもたらす」PDF
詳しくは、PDFをご参照ください。
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