【この記事で学べること】
●2025年ノーベル化学賞の対象となったMOFは、金属と有機分子からなる多孔質材料。
●分子を取り込む性質を生かし、成分の保持や放出など、皮膚・美容分野への応用研究も進んでいる。
●ただし、化粧品への実用化には安全性・安定性・量産性などの検証が必要な、将来性のある技術。
大阪の万博公園(太陽の塔)に行ってきた宮田哲朗です。
(もちろん、ミャクミャクくんはいなかった)
(記事作成日:2025.10.15)
前回は、ノーベル生理学・医学賞を受賞した大阪大学栄誉教授の坂口先生の「制御性T細胞」のお話をしました。
今回は、もう1人「ノーベル化学賞」を受賞された「京都大学の北川先生」のお話をさせていただきます。
実は、今回ノーベル賞を受賞した北川先生の研究は、美容業界にとっても無関係ではないのです。
受賞テーマは「MOF」(Metal-Organic Framework)=金属有機構造体。
「モフ?なんか柔らかそう…」と思うかもしれません。実はこれ、めちゃくちゃ固い科学の話なんですが、分かりやすく解説していきます。
✔️MOFって何?
ざっくり言えば、MOFとは、『分子レベルのスカスカ構造を持つナノサイズのカゴ』のような物質のことです。
(スポンジをイメージしてください)
金属と有機物を組み合わせて作られた、超多孔質構造(穴だらけの構造)で、「とにかく中がスカスカ!→だからいろいろなものを入れたり出したりできる!」という特性があります。

つまり、
・分子を吸着する(ニオイや不純物をキャッチする)
・分子を閉じ込めて運ぶ(成分をピンポイントで届ける)
・温度・pH・光で“開けたり閉じたり”できる
という特徴がある物質です。
そして、この「スカスカの物質=MOF」を世界で初めてデザインしたのが北川進先生で、世界中の科学者が20年以上、後追いしてきた研究の“源流”を作った日本人なんです。
すごいですよね!
✔️じゃあ、美容とどう関係あるの?
一見、「え、化粧品と関係あるの?」と思うかもしれませんが、むしろ今後かなり関係してきます。
例えば、
◆美容成分を必要な場所にだけ届けたい
→MOFがカプセルのように働く(いわば“分子レベルのピンポイント配送”)
◆化粧品の成分を酸化や紫外線から守りたい
→MOFが保護バリアに(特にビタミンCやレチノールなど、安定性に弱い成分との相性◎)
◆ニオイ・ガス・汗などの吸着&除去機能
→MOFが“分子レベルの消臭”に貢献(制汗剤や頭皮ケア製品でも注目)
つまり、MOFは「お肌の必要な場所で効果を発揮する化粧品」への進化の鍵になる可能性があるんです!
※UTPの加工技術「SAS化」をさらに進化させるイメージです。
✔️MOFは「まだ化粧品業界では未開拓」だからこそチャンス
当然ながら現時点では、MOFを活用した化粧品はまだありません。
(恐らく10年後を目安に商品化できるようになると思います)
だからこそ、「この化粧品には“MOF応用技術が使われている”」「うちの美容液は“分子カプセルで狙った場所に効かせている”」なんて未来が来たら、それだけで差別化につながりますよね。
UTPとしても、こうした新技術を“ちゃんと理解した上で活かせる会社”でありたいと本気で思っています。
✔️MOFのまとめ
北川先生の研究って、一見すると「難しすぎる話」に見えます。
でも、
・人の体に、分子単位で優しく届ける
・必要なものを、必要なだけ届ける
・いらないものは、分子レベルでキャッチ&リリース
ってまさに、「化粧品の理想形」ですよね?
皆様、これからもMOFというキーワードに注目していてください!
作成日:2025.10.15
Profile:宮田哲朗
株式会社UTP社長/2,000件以上のクリニックやエステティックサロンと接した経験から得た知識を基に化粧品やサプリメントのオリジナル商品を多数プロデュース、数々のヒット商品を手掛ける。医療業界、美容業界に化粧品やサプリメントの正しい知識や選び方などを題材とした講演活動を全国で行う。著書に、「プロのための美肌メソッド」(アートデイズ社)「美肌作りの3分ルール」(ダイヤモンド社)
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