【この記事で学べること】
●皮膚常在菌にはさまざまな種類があり、肌では菌のバランスが大切
●活性酸素には生体防御に関わる面がある一方、過剰になると酸化ストレスにつながる
●ヒトプラセンタエキスの抗酸化活性について、研究で確認された範囲と未確認の範囲
風邪やインフルエンザの嫌な季節ですね。
当然のことながら多くの病気には、ウイルスや「菌」が関係してきます。
今回はまず「菌」について考えてみました!
✔ 皮膚常在菌にもバランスが大切
ご存知の通り、我々人間は「菌」と共存共栄しながら生きています。
代表的なのは、皮膚常在菌や腸内細菌です。
皮膚常在菌はお肌に約1兆個生息していると言われ、美容分野でよく取り上げられる代表的なものに、次の3種類があります。
①表皮ブドウ球菌
皮脂を脂肪酸とグリセリンに分解することで、お肌を弱酸性に保ち、好ましくない菌の増殖を抑えたり、お肌の潤いを保ったりします。
②アクネ菌
ニキビの原因として悪いイメージが先行しますが、アクネ菌も皮膚を弱酸性に保つことに関わります。一方で、毛穴の詰まりや皮脂、炎症、菌株構成など複数の要因が重なると、ニキビに関係することがあります。
③黄色ブドウ球菌
健康な皮膚にも存在することがありますが、皮膚環境の変化などによって増殖すると、かゆみや炎症に関わる場合があります。アトピー性皮膚炎では、黄色ブドウ球菌の増加と病状悪化との関連も研究されています。
以上のことから、「菌」には人の健康に役立つものもあれば、状態によって好ましくない影響に関わるものもあり、正常な状態であれば無害なものもあります。
皮膚のベストコンディションは、お肌が弱酸性に保たれて、表皮ブドウ球菌が働き、アクネ菌も適度な状態で、黄色ブドウ球菌が増殖しない状態ではないでしょうか?
腸内細菌でも同様のことが言えると思います。
どうしても「菌」と聞くと、病気や感染症の原因として「殺菌」することを考えてしまいますが、正常な菌まで殺してしまうと、菌のバランスが崩れて、余計に害が出てしまうことも考えられます。
抽象的な言い方になりますが、やはり「バランス」が大切だと言えます!

✔ 活性酸素にも役割がある
話は変わりますが、人間にはもともとウイルスや「菌」などの外敵から身を守る機能が存在しています。
その過程に関わる代表的なものが「活性酸素」です。
皆様よくご存知の通り、活性酸素は本来、外敵から身を守るためにも必要なものですが、問題なのは、活性酸素の産生と体の抗酸化力のバランスが崩れ、酸化ストレスが高まることです。
酸化ストレスは細胞の脂質、DNA、タンパク質などへ影響し、さまざまな疾患や肌状態との関連が研究されています!!
ですので、「活性酸素除去作用」や「抗酸化作用」に着目した成分が、多くの化粧品や健康食品などに使用されています。
では改めて、この活性酸素をもう少し深掘りしてみたいと思います!
※すみません・・・ここからまだまだ文章が続きます・・・飽きないで読んでください m(__)m
✔ 代表的な4種類の活性酸素
「活性酸素」と一言でいっても、代表的なものに一重項酸素、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル、過酸化水素などがあり、それぞれ性質が異なります。
①一重項酸素
- 紫外線などによって発生します。
- 脂質、DNA、タンパク質などを酸化させることがあります。
- カロテノイドやビタミンEなどが、一重項酸素に対する抗酸化防御に関わります。
②スーパーオキシド
- エネルギー代謝や免疫反応などに伴って発生します。
- 過剰になると、脂質、DNA、タンパク質などへ酸化的な影響を与える場合があります。
- 免疫細胞が病原体へ対抗する仕組みにも関わります。
- 体内ではSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)が防御に関わります。
③ヒドロキシラジカル
- 過酸化水素などから、金属イオンが関わる反応によって生じることがあります。
- 反応性が非常に高く、脂質、DNA、タンパク質などへ酸化的な影響を与えます。
- 体内では、ヒドロキシラジカルの発生源となる過酸化水素をカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどが処理します。
④過酸化水素
- エネルギー代謝や酵素反応などに伴って発生します。
- 過剰になると、酸化的な影響につながる場合があります。
- 免疫反応や細胞内のシグナル伝達にも関わります。
- 体内ではカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどが防御に関わります。
以上のことから、活性酸素には生体防御や情報伝達に関わる面がある一方、過剰になると酸化ストレスにつながります。すべてを除去すればよいというものではありません。
特に、免疫反応や情報伝達にも関わる「スーパーオキシド」と「過酸化水素」とは、上手に付き合っていくのがよいと思われます!!
✔ 「全て除去」ではなく、共存共栄
まとめますと・・・
前半に出ました「菌」や「活性酸素」は、どうしても「悪いイメージ」がありますが、それらを「すべて除去」すればよいか?というと、そうではなく、上手に「共存共栄」していくことが重要ではないでしょうか?
「良い情報」と「まだ分からないこと」をしっかり見極める眼力が大切なんですね!!
作成日:2016.03.03
Profile:宮田哲朗
株式会社UTP社長/2,000件以上のクリニックやエステティックサロンと接した経験から得た知識を基に化粧品やサプリメントのオリジナル商品を多数プロデュース、数々のヒット商品を手掛ける。医療業界、美容業界に化粧品やサプリメントの正しい知識や選び方などを題材とした講演活動を全国で行う。著書に、「プロのための美肌メソッド」(アートデイズ社)「美肌作りの3分ルール」(ダイヤモンド社)
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